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グローバルな大国間協調の組織化を
―― 多極世界を安定させるために

リチャード・N・ハース  外交問題評議会会長 チャールズ・A・クプチャン  ジョージタウン大学  教授(国際関係学)

The New Concert of Powers How to Prevent Catastrophe and Promote Stability in Multipolar World

Richard N. Haass 外交問題評議会会長。最近の著書にThe World: A Brief Introduction がある。フォーリン・アフェアーズでは「破壊された米外交―― 戦後秩序の終わりと次期政権の選択」(2020年10月号)、「世界を修復し、建設する―― ポストトランプ外交の前提」(2020年12月号)、などを発表している。 Charles A.Kupchan 交問題評議会のシニアフェローでジョージタウン大学教授(国際関係論)。最近の著書にIsolationism: A History of America's Efforts to Shield Itself from the Worldがある。

2021年5月号掲載論文

アメリカやヨーロッパにおけるポピュリズムや非自由主義への誘惑がそう簡単に下火になることはない。かりに欧米の民主主義が政治対立を克服し、非自由主義を打倒して、経済をリバウンドに向かわせても「多様なイデオロギーをもつ多極化した世界」の到来を阻止することはできない。歴史は、このような激動の変化を伴う時代が大きな危険に満ちていることをわれわれに教えている。だが、第二次世界大戦後に形作られた欧米主導のリベラルな秩序では、もはや世界の安定を支える役目は果たせないことを冷静に認めなければならない。21世紀の安定を実現するための最良の手段は「19世紀ヨーロッパにおける大国間協調」を世界に広げた、中国、欧州連合(EU)、インド、日本、ロシア、アメリカをメンバーとし、国連の上に位置する「グローバルな大国間協調体制」を立ち上げ、大国の運営委員会を組織することだ。

  • 戦後秩序では安定化は望めない
  • 大国間協調と地域機構
  • 21世紀と19世紀の国際秩序
  • 支柱なき世界
  • どのように機能するのか
  • 歴史の教訓
  • 想定される批判
  • 万能薬ではないが・・・

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